さて今日は、飛行機でデリーに飛び、そのまま成田行きの日航便に乗り換えるはずの日である。
ところが、問題1。昨日の食事がわるかったか?ガイドブックに載っていたマトン料理を注文したが、ベジタリアンの街で肉はやはりよくなかったか?一晩たっても消化されずに胃に残っている感じがする。朝食の気分にもならない、と思っていたら吐き気がするので、移動中に吐くよりもよいと思い、口に指をいれてさっさと吐いてしまった。案の定、昨晩の肉が消化できていない。油がわるかったのかな?この日まで、風邪はひいても胃腸の調子は絶好調だったのに。吐き出してしまうと気分が改善したので、チェックアウトし、ドライバーと旅行会社の現地のレップと話をする。
すると、問題2。Delhi行きの飛行機が、濃霧のためにキャンセルされたらしい。Delhi発成田便は夜8時20分出発なので、半日あれば他の便でも間に合うだろうというと、それらもキャンセルの可能性が高いという。大急ぎで別の方法の手配を頼むが、いまいち反応が悪い。ホテルのビジネスセンターに数台あるパソコンを借りて、近隣の別の街からDelhiに飛ぶ飛行機がないか探す。電車ではもう間に合わないようだ。レップのGauravがGurajat州のAhmedabadまで行けば、Delhi行きの飛行機はあるはずだという。調べてみるとそのとおり。しかし250キロも離れており、車で4~5時間はかかる。午後3時半の飛行機でもぎりぎりだ。迷っている余裕はないので、すぐに予約変更と追加料金の精算(一部米ドルで)を済ませ、Agraに帰りたいドライバーのSinghさんには悪いが、反対方向のAhmedabadの空港まで送ってもらう。
Rajasthan州からGujarat州に向かう山間部は丘陵と平野がまじり、緑におおわれた農耕地帯が美しい。体調は悪いが、ときおり目を開けると見えてくる景色は非常に牧歌的だ。Ahmedabadに近づくと、この一週間滞在していたRajasthan州よりも近代的な建物が多くなり、中間層が所有していると思われる小型車が多くなった。空港近くにはアメリカにあるような最新装備の病院も目につく。海外からインドに来て受ける私費の治療とは、こういうところでやるんだなと思う。腎臓移植や膝の手術などが有名らしい。空港近くで落ち合った旅行会社の現地レップによると、インドのMITといわれるIITも、Ahmedabadにあるそうである。こうして対比してみると、Rajasthan州は王族支配が長引いた結果、封建的な社会制度が発展を遅らせたのだなと想像できる。教育と機会の均等な普及が遅れると、開発が進まない。Rajasthan旅行に、どこか疲れる前近代的な面を感じるのは、この辺が原因だろう。
AhmedabadからDelhiの飛行機は問題なく飛んだ。途中、飛行機内のトイレでも少し吐いたが、デリーの国内便ターミナルから国際便ターミナルへの移動、JALでの夜行便は問題なくすすみ、無事、翌日の朝8時過ぎ、成田空港に帰着した。ひさしぶりの自宅で、白いご飯と梅干しで食事ができるのが楽しみだった。結果として、その後3,4日は下痢とくしゃみ、鼻水に悩まされ、ほとんど自宅で仕事することとなった。はじめてのインドという、自分にとってかなりの異世界に身を投じた結果、写真をFacebookに上げるだけでは足りないような気がして、実家の母や友人に旅の報告をしたいとの思いから、このレポートをまとめた。
2014年1月13日
太郎記す