2014年1月13日月曜日

インド: 7日目、Pushkar (プシュカール)

よく寝たおかげで、今日も問題なく観光できそうだ。目覚めると、部屋の前のバルコニーからの景色がすばらしい。 


朝食後、約束の時間にPushkarを案内してくれるガイドのBittuが来る。Bittuによると、Pushkarは、ヒンズー教の主要な神様の内、ブラフマー神を祀る唯一の寺院があるところだ。なぜここにしかないかというと、結婚式に遅れた后にあきれたブラフマーが、別の女性と結婚してしまうと、后が怒り、呪いをかけて、ブラフマーがPushkar以外に寺院を設けられないようにしてしまったからだとか。


ブラフマーが落とした蓮の花が湖になったという湖水に沿うように、ヒンズー教徒の巡礼者が沐浴するためのガートが無数にあり、その外側にお供え物や土産物を売る店、カフェなどが軒を連ねている。牛のほか、牛の落とす糞を食べるブタ、観光客の布施を食べる猿、犬などが人間に混じって自由に行き交っている。猿と犬はインドでも仲が悪いようだ。

ブラフマー寺院の山門もくぐり、隣接するガート(沐浴場)に着くと、例のごとく、坊さんを紹介された。若くてハンサムで、血色のいい聖者だが、ひととおりの儀式を経験するため、勧められる通りにガートに座り、花などのお供えを買う。近年他界した近親者の名前を聴かれ、伝えると祈りの言葉を行ってくれ、湖の水を手ですくって、同じように祈りの言葉を言うようにいわれる。何語なのかわからないが、はじめてヒンズー教のお祈りをしたところで、お布施を進言された。「寺院で聖者と貧しい人たちに食事を振る舞うのに毎回1000ルピーかかります。あなたは何度分寄付したいですか?」笑顔だが、こちらの善意を測るように、じっと見つめて布施を求める。たった、それだけですか?とか、なんどかやりとりしたが、こちらも無理やり払わされるのは嫌なので、夫婦で1000ルピーという線を断固まげることなく納得してもらう。それが一般と比べて高いか安いか、まったく知らない。最期は坊さんも「あなたがハッピーならそれでいい」といっても、にこやかに写真を撮って、ガートを後にした。




ヒンズーのお祈りを経験した後は、ガート沿いに散歩する。シーズンでないのか、人間よりも牛、猿の数が多く、おびただしい数の鳩に、巡礼者が餌をやっている。



ひととおりガートを見た後、目抜き通りのお店などを見て周る。これまで見てきたどの街よりも静かで、落ち着く。押し売りも少ない。何十年か前は、ヒッピーの溜まり場になっていたようだが、今もバックパッカーが目につく。それよりも、イスラエルからの客が多いことに気づいた。なぜイスラエル人が、ヒンズー教の聖地であるここに?まずヒンズー教徒の街だからベジタリアン料理しかないし、結果としてすべてユダヤ人が食べることのできるKosherな料理ということになのか?黒い服に巻き毛の正統派ユダヤ教徒の男性も何人か見た。







Pushkarでは、日本語よりも韓国語でよく話しかけられた。「オディガヨ?」(どこへ行くんですか?)と店の売り子が話しかけて来る。Pushkarは、日本人よりも韓国人の旅行者に人気があるんだろうか?実際、韓国人の旅行客も何度も見かけた。考えてみると、行く先々で日本語で挨拶される韓国人旅行客も、迷惑な気分だろう。ここでは立場が逆なんだ。Pushkarまで来るには一週間以上の旅程が必要だろうから、忙しい日本人でここまで来る人は少ないのかもしれない。

ホテルで朝食中に臨席したオランダ人のおばあさんは、6週間の旅路だと言っていた。我々が11日ですというと、「え?そんなに短いの?」と目を丸くしていた。

昼は、見晴らしのよい3階建てくらいのレストランの屋上で食べた。欧米人観光客も喜びそうなコーヒーや、ピザを含むイタリアン全般、はては中華料理までメニューに載っている店だ。とはいえ、ヒンズー教の聖地なので、肉はなく、あくまでベジタリアンのみ。我々はタリとピザに、バナナシェーキを注文。おいしい。そして落ち着く。インドでは、街の騒音に加えて、ひっきりなしに接客や物乞いのアプローチがあるため、静かに自分の時間を持つことが、本当に難しい。それがこの屋上カフェではヒンズー教の聖地を静かに眺めながら、お茶やバナナシェーキを楽しむことができる。イスラエル人が大挙してやってくるのも、わかる気がする。



午後は、カーストが床屋で5代目だという店で散髪(50ルピー)と簡単なマッサージ(180ルピー)をしてもらう。年越しまえに東京で散髪する時間がなかったが、腕はよく、すぐに終わった。


その後、真澄をヨガ道場の午後のセッションに送り届けて、自分はLotusという店でアユールベーダのマッサージ(といっても、何のことはない、ただの全身マッサージ)を予約し、時間まで別の屋上カフェで景色を楽しむ。マッサージは、結果的には90分で1000ルピーの価値は、日本と比較すればOKだが、部屋の衛生環境は満足できるしろものではなく、おすすめしない。


夜は、疲れと寒さで遠出する気がしないので、ホテルのダイニングで食事。高いが、味は悪くない。

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